2012年1月8日日曜日

会計のことも少し

   新年もすでに明けて1週間がすぎ,大学でも一昨日6日は始業式,そして昨日からは授業が再開されました。このブログもそろそろ再開せねばなりません。
   当初,ここには私が会計のことを書いて解説するということでした。しかし,自分が専門とすることをブログで書くのは意外に難しいなと感じ,いまだに一度も書いていません。専門なのだから間違ってはいけないという気持ちが強すぎるのかもしれません。だからといって,それ以外の事をいい加減に書いているわけでもありませんのでご理解ください。
    正月休みは例によって多くの課題を自宅に持ち帰り片付けようとしましたが,これも例によってほとんどできませんでした。ただ前から読みたかった本をいくつか読むことができました。今日はその中の1冊をご紹介します。
    書名は『ザ・ラストバンカー  西川善文回顧録』(講談社,2011年,税別1,600円)です。著者は,元三井住友銀行頭取で,前日本郵政社長の西川善文氏です。タイトルの意味は最後の銀行家ですが,けっして堅い話ではなく,大変スリリングな問題が随所に出てきます。とくにリスクに対する著者独特の考え方は,銀行業のイメージを一新させてくれるでしょう。
   大阪生まれの私にとって,旧住友銀行は比較的身近な銀行で,ここにも出てくる安宅産業問題だけでなく,東洋工業(現マツダ)やアサヒビールの建て直しなど,積極果敢な銀行というイメージでしたが,その中枢にいた人物だけに大変リアルなものとなっています。イトマン事件など同行を取り巻く大きな経済事件についても実名で書かれているところは際立ちます。ただ,長年取引がうまくいかなかったトヨタとの関係や先輩頭取に対する評価については,無難な記述や省略があり少し物足りなさを感じます。
    また,回顧録ですので幾分主観的といえばいえなくもありません。いかなる人も,やはりどこか自己弁護になるところがあるのでしょう。その辺をよくよく注意し見抜いていただかなければなりませんが,一読の価値はありそうです。
   私たちのゼミにとっての価値は,その会計的記述の多さです。銀行すなわち金融ですが,金融の難しい理論は出てきません。もちろん一般向けの書ですから意識的にそうされているのかと思いますが,重要なところで出てくる専門用語は会計のものがほとんどです。自己資本比率,税効果会計,減損会計などなど,われわれにとっては身近な用語のオンパレードです。それだけ銀行の業務にとって,会計の知識は必須であるということでしょう。
    銀行に就職しようとする方だけでなく,会計の勉強をするゼミ生にはぜひ読んでいただきたいと思います。
橋本

2012年1月1日日曜日

元旦

    新年,明けましておめでとうございます。今年が皆さんにとってより良き年となりますように。簡単ながらご挨拶まで。
橋本