はじめに
ここに私的な思い出を書かせていただいた先生方は,私がこの世界に入るきっか
けを作ってくださった,あるいは,入ってから,折に触れ大変お世話になり,残
念ながらすでに亡くなられた方々である。
このような思い出を書こうと思ったきっかけは,大切な方々とのあいつぐ離別
であった。本年1月に興津裕康先生(近畿大学名誉教授)が,5月には須田一幸先
生(早稲田大学教授)が逝かれた。両先生とも,今日私が,この世界でどうにか
お仕事をさせていただく上で欠かすことのできない方々であった。
興津先生は71歳。新聞の訃報を見ると同年齢の方も多いわけだから,この悲し
い出来事も世間一般では不思議ではないのだろうが,興津先生が持っていた生命
力,太陽のようなパワーを知っているものからすれば,それはあまりにも早く突
然であった。
須田先生は55歳。あまりに早く急なという印象を受けるが,2年以上にもわた
る闘病の果てであった。自身の復活を信じて疑わなかった先生は,最後までポジ
ティブな人生を全力疾走で駆け抜けられた。
お二人の逝去はこれからの私の人生観にも微妙な影響を与えそうである。それ
はともかく,この機に私は,これまでお世話になりすでに幽明境を異にされた簿
記・会計学の先達たちの思い出をここに記し,会計学者として,大学教員として
の在り方を考えてみたいと思うのである。
平成23年12月1日
橋本武久
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